仕訳問題の解説

お金勘定の使用(実践編)

投稿日:2017年4月11日 更新日:

用語解説ページでの限界

用語解説というのは、総じて硬い表現や抽象的な説明になりがちです。

そのためその説明を読むことを諦めてしまう人がいるのではないかな、と思っています。

常識なども含まれているので知っていて損はないものが多いですが、やはり合格最短を目指すかたには不要な部分も多いです。

なのでここでは、実際に問題を解くことでコツを掴む。

用語についての深い知識がなくても解けるようにレベルアップしてもらえるようなページにしたいと思います。

(小切手振出を当座預金勘定で処理する、といった最低限の知識は身につけてください。)

 

お金勘定とは

仕訳のコツでも書いたことですが、ここでも一応復習として書きますね。

このサイトでは、お金の増減に関わる科目を一括して「お金勘定」と呼ぶことにします。

現金・当座預金・売掛金・支払手形などがこれに含まれます。

あとは増減でなくてもお金として利用可能な品物、商品券なども含まれます。

このお金勘定の入る場所がわかれば仕訳のほとんどが解答可能になります。

 

お金勘定が入る方向(貸借)はお金が増えたか減ったかで判断できます。

 

お金が増える借方(左)

お金が減る貸方(右)

 

これが最も重要なポイントです。

 

そして相手勘定は「何が原因でお金が増えるのか」「何に対してお金を支払っているのか」という所にも注意しましょう。

これが読み取れれば相手勘定が何になるのかわかります。

 

 

それでは早速例題をガンガン解いていきましょう。

今回は難易度などは一切考慮しません。

そうすることでこの手法の汎用性を理解してもらうことが目的です。

難しいと感じるかもしれませんが、頑張っていきましょう!

 

 

例)商品45,000円を売り上げ、代金は当店発行の商品券40,000円と他店発行の商品券10,000円で受け取り、釣銭を現金で支払った。(第103回簿記3級より)

この問題はお金勘定が多く、混乱するかもしれませんがしっかりと順序立てて考えていきましょう。

「売り上げ」→保留

「商品券40,000と他店発行の商品券10,000受け取り」。

商品券はお金と同じ感じで使用できるのでお金勘定です。

それを受け取った→お金の増加→商品券2つが

「釣銭を現金で支払った」→お金の減少→現金が

 

商品券は売り上げの対価として受け取ったので、売上は商品券とは逆側になります。

 

 (商品券) ××× (売上)×××
(他店商品券)××× (現金)×××

現在この形。

 

次に金額。

これは問題文に書いている数値を当てはめていきましょう。

すると左側、つまり商品券の金額の方が5,000多くなるので、これが釣銭として支払われた金額となります。

 

 (商品券) 40,000 (売上)45,000
(他店商品券)10,000 (現金)5,000

 

 

 

この問題、「商品券が負債で、それを受け取ったのだから支払う義務が消滅したため、商品券を減額させます」。

おそらくこのように解説しているテキストが多いのではないでしょうか。

なんだか無理にややこしく説明しているように感じますよね。

一般のテキストでの解説ではおそらく理解に苦しむ場面が多く出てしまうと思います。

なので基礎的な考えをここで学習し、解説は参考程度に読むくらいにしてください。

 

例)山口株式会社の株式500株を1株あたり5,000円で購入し、代金は購入手数料30,000円とともに小切手を振り出して支払った。なお、当座預金の残高は2,000,000円であるが、借越限度額1,000,000円の当座借越契約を結んである。(第103回簿記3級より)

この問題は何よりも文章の量が多い。

なので、まずはお金勘定の部分だけを抜き出していきましょう。

さらっと読んでみると、前半が株式購入と手数料について。

後半が当座預金についての説明。

ということで、お金勘定が出てきましたね。

「小切手・当座預金」がキーワードです。

「小切手を振り出した」→お金を支払った→お金が減少

なので、貸方には当座預金勘定が入ります。

小切手振り出しの詳しい解説は小切手のページで。

 

そして問題文には「当座借越契約を結んでいる」とあります。

この文言が入っていれば十中八九、当座借越勘定を使用です。

当座借越も当座預金の兄弟なのでお金勘定に含まれ、貸方に入る。

詳しくは当座預金のページで。

そして相手勘定は何か、何に対してお金を払っているのかについてです。

 

これは問題文に書いている通りです。

株式、つまり有価証券とそれにかかった手数料になります。

これが支払った対象ということで相手勘定になります。

続いて金額ですが、これは小学生の掛け算を行えば求められます。

500株を1株5,000円で購入。

500×5,000=2,500,000です。

そこに手数料30,000円を加えた2,530,000円が有価証券の金額になります。

支払手数料が出てこない理由は有価証券のページで。

 

支払う金額は2,530,000円だが、当座預金の残高は2,000,000円。

ということで、不足額を当座借越で処理します。

(有価証券)2,530,000 (当座預金)2,000,000
            (当座借越)530,000

このようになります。

 

当座借越が何かをぼんやりとでも知っていれば解答可能ですね。

そして、有価証券の購入にかかる費用は全て有価証券に含めるということは重要ですのでこの機会に是非覚えてください。

 

 

例)前期に貸倒れとして処理していた南場商店に対する売掛金400,000円のうり100,000円を現金で回収した。(第104回簿記3級より)

これは非常にシンプルですね。

お金勘定の代表、現金があります。

現金回収→お金の増加→左。

回収した金額は問題文の通り100,000円。

前半の貸倒れた金額は回収した金額と関係ないので無視してください。

あくまで重要なのは、受け取った・回収した・増加した金額ですので。

 

相手勘定、どうして増加したのかについては償却債権取立益勘定を使用します。

そんな勘定科目初耳!という人は貸倒れのページへどうぞ。

 

(現金)100,000 (償却債権取立益)100,000

 

 

 

例)藤田商店から商品500,000円を仕入れ、代金のうち300,000円は藤田商店を名宛人とする約束手形を振り出し、残りは小切手を振り出して支払った。なお、当座預金の預金残高は150,000円であったが、同商店は取引銀行と2,000,000円を限度とする当座借越契約を結んでいる。(第104回簿記3級より)

長くてウザいので、区切りの部分を見つけましょう。

句読点の直前に注目すると簡単に区切る部分が見つけられます。

仕入れ・振り出し・支払った。

なお書きから当座借越関連だということはすぐにわかると思います。

 

まず、区切りの部分は「仕入れ」の前後ですね。

仕入れの後からは支払いに関する事柄ということが、文末からわかります。

お金勘定の使い方から、支払い関連のものは全て右側です。

 

次は使用するお金勘定の中身です。

文章の「約束手形を振り出し」から、支払手形。

「残りは小切手を振り出して」から当座預金。

最後の文章の記述から、当座借越。

ちなみに、当座借越はその記述があれば使用するので、金額が不明な段階でも右側に記入します。

 

その支払いの対象はもちろん、仕入れですよね。

その仕入れの金額は、問題文から500,000円と読み取れます。

 

その500,000をお金勘定に分けていきます。

支払手形が300,000。

残り、つまり200,000を当座預金。

しかし当座預金の残高が150,000なので、不足分50,000が当座借越になります。

 

(仕入)500,000 (支払手形)300,000
         (当座預金)150,000
         (当座借越)50,000

 

 

続きはまた次のページで行なっていきます。

回を重ねるごとに解説が省略されていくと思います。

なぜなら、簿記というのは決められたルールに則って淡々と仕訳を切るだけの試験だからです。

ルールがわかり、コツが掴めれば必然的に解説が煩わしくなってきます。

みなさんがその境地に達するお手伝いができればいいな、と思ってます。

 

このページがあなたの役に立ったのなら嬉しいです。

 

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