仕入れ
一般的なお店が経営していく上ですべきことが、「仕入れ」です。
商品を安く仕入れ、高く売る。
これが店の基本戦略ですよね。
この差額が大きいほど、店の利益も大きくなります(売れればの話ですが)。
今後のページでは三分法によって説明が進みます。
分記法についてはこちらです。
例)100円のキャベツを仕入れ、代金を現金で支払った。
仕入れをした、という取引ですね。
これを考えていきましょう。
まず、この取引によってお店のお金は「増えたのか減ったのか」。
もちろん答えは「減った」ですよね。
売るための商品を買ったのですから、当然お店はお金を払ったということになります。
図に表すと、
こんな取引。
お金の矢印が仕入先(今回では農家)に向いています。
つまり、店のお金が仕入先に移動したということ。
逆に、仕入先から出ているキャベツの矢印が店に向いています。
これは仕入先のキャベツが店に移動した、ということ。
つまり、お金が出て行き、キャベツが店に入ってきたということになります。
結論:お金は減った。
これが求められたなら問題ありません。
現金がどのようになったかわかったので、前回書いた定義に当てはめましょう。
「増えた=左、減った=右」
今回は「減った=右」が当てはまりますね。
そして仕訳のテンプレートに入れていきましょう。
仕訳のテンプレートはこれでしたよね。
(○○○)××× (○○○)×××
ここに「現金が右、金額は100円」という情報を入れましょう。
(○○○)××× (現金)100
今回は空いている左側にも言葉が入るので、金額は一旦保留とします、
では左側には何が入るのか。
これはすでに決まっていますので覚えてください。
それは「仕入」です。
キャベツじゃないので注意してください。
売るために購入したものは、すべて「仕入」という言葉に入れられます。
なので、きゅうりでもレタスでもトマトでもすべて「仕入」が使われます。
とはいえこのように考えなくても、仕入れの問題では問題文に「仕入れ」という言葉があるはずなのでそれをみて判断してください。
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補足
ちなみに、前回の例題で「車を現金で買った」とありましたが、この車は仕入れという言葉が使われていないので、売るための物ではないと推測できます。
なので、左側が「仕入れ」でなく「車」だったというわけです。
「仕入れた」と書かれていれば、「仕入」を使う。
これを覚えれば何も問題はありません。
言葉が「仕入」となりました。
残るは金額と左右の位置。
金額は問題に書かれている金額「100円のキャベツ」、左右はすでに現金が右に入っているので、残っている左側に入ります。
ここで前回書いた「仕訳の因果関係」について考えましょう。
今回の取引での「原因」と「結果」は何か。
お金が動く仕訳では基本的に「結果」=「お金がどのようになったか」となります。
今回では「お金が減った」というのが結果です。
では原因は何か?
これはもうわかりきっていますよね。
「キャベツを仕入れたから」。
今回の問題はまとめると「キャベツを仕入れたから現金が減った」という関係になるのです。
この因果関係を成立させるポイントは2つ。
①原因と結果は左右で別れる。
②結果は「お金がどうなったか」。
原因と結果が左右で別れるという事で、結果がすでに右にあるので原因の方は左になるのです。
これが因果関係から考えた作り方です。
ここまで硬く考えるのは今回だけ。
次からはもう少し柔らかく簡潔に思考過程を書いていきます。
色々ありましたが、今回の問題でわかったことをまとめていきます。
・現金が減ったという取引なので、現金は右側。
・減った金額は100円。
・売るためのキャベツを買った=仕入。
・仕入れた金額は100円。
・因果関係から現金とは反対の方、つまり左に仕入となる。
これを仕訳のテンプレートに落とし込んでいきます。
その結果が、
(仕入)100 (現金)100
この仕訳を見た人は、「現金を支払って仕入れをしたのか」とすぐわかります。
これが仕訳の素晴らしいところ。
たったこれだけであの取引の内容を表現できるのです。
なので、仕訳は簿記でとても重要なものと言えます。
今回は長々と書いたけれども、全てはこの形にするための思考でした。
では次の問題ではコンパクトに考えていきましょう。
例)トマト200円を仕入れ、代金を現金で支払った。
「仕入れ」という言葉があるので、これはお金が減るのだな、と連想してください。
お金が減る=右側。
仕入れは残る左側。
金額は問題文の200円。
これで仕訳を作る要素が全て揃いました。
「何が(何で)」→「現金と仕入れ」
「いくら」→「200円」
「どうなった」→「現金が減った・(仕入れた商品が増えた)」
要素全てを書き出すとこうなります。
実際に書き出す必要はありません。
頭の中で、現金がどちら側なのかがわかればいいのです。
(仕入)200 (現金)200
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まとめ
問題文に「仕入れ」という3文字があれば、必ず「仕入」を使う!
問題を現金などのお金から考えてもいいですが、仕入の位置を覚えても構いません。
(仕入)××× (お金)×××
これが仕入れ時のテンプレートです。
まずはこれを覚えるのも良いとは思います。
覚えたあとに理論(お金から考える方法)を抑えても良いです。
解ければどのようなアプローチでも構いませんからね。
次回
店の重要取引第2弾、売り上げです。
仕入れと同じく、現金から見ていくとわかりやすい。
仕訳は現金から見れば、詳しい知識がなくても作れます。
頑張っていきましょう。
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