前回までのまとめ
仕訳の基本的な考え方。
取引の内容を確認し、お金が増えたか減ったかを確認していきます。
お金が増えた=左にお金勘定。
お金が減った=右にお金勘定。
お金勘定の中身についてはこちら。
買掛金で仕入れた場合。
(仕入)××× (買掛金)×××
お金が減るからお金勘定である買掛金が右に入る。
売掛金で売り上げた場合。
(売掛金)××× (売上)×××
お金が増えるのでお金勘定である売掛金が左に入る。
現金が一番偉い。
返品
皆さんは返品という行為をしたことはありますか?
ネットで衣服を購入する人なら頻繁に返品をしているかもしれませんね。
さて、やったことはなくても概念は知っていると思います。
購入した商品を相手に返す行為を返品と言うことはご存知でしょう。
そんな返品は食料品を取り扱っている店舗においてはかなり頻繁に行われている業務です。
仕入れたピーマンが赤く変色している!となれば返品を行い、支払った金額を返してもらいます。
下図のような取引のことですね。
この取引を仕訳に直すとどのようになるのか見ていきましょう。
例)A商店から現金で仕入れた商品1,000円を返品した
基本的に返品取引は至極単純です。
注目すべきは、支払い方法は何であったかということ。
これによって使用する勘定科目が変化します。
今回は現金ですね。
この返品という取引の本質は「仕入れたという取引が無くなった」ということです。
つまり、1,000円の商品を仕入れたのだけども間違った商品、もしくは不良品であることを理由に取り消したということ。
結果「1,000円の商品を仕入れたという取引は無かったことになる」のです。
要するに何をすべきかというと、
仕入れた時の仕訳を取り消す
ということです。
通常、返品を行う場合、先に仕入れた仕訳を行なっているはずなのです。
時間の流れは、仕入れ→返品となっているのが当然ですよね。
だからこの店ではすでに
(仕入)1,000 (現金)1,000
という仕訳が行われているはずなのです。
これが抜けていることは通常ありえません。
もし抜けているとすれば問題に記載されているはずです。
さて、返品の仕訳は「仕入れた時の仕訳を取り消す」ものであります。
つまり、上の仕訳を無かったことになるような仕訳にすればいいのです。
その方法が一般的に逆仕訳と呼ばれているものです。
文字通り、仕入れた取引に行なった仕訳の逆の仕訳をします。
(仕入)1,000 (現金)1,000
これの逆なので、
(現金)1,000 (仕入)1,000
これが返品の仕訳になります。
これをすることで、左右の現金と仕入が相殺されてゼロとなります。
仕入れ額はゼロになるし、現金は1,000円のままです。(これ以外に取引はない&現金残高1,000円の場合)。
結局、仕入れの時に行なった仕訳の左右逆の仕訳をすれば終わりです。
前回までの現金・小切手・買掛金・手形を用いた仕入取引の仕訳ができれば簡単な問題ですね。
それでは、今度は逆の立場で取引を見てみましょう。
例)B商店に掛けで販売した商品1,000円が返品された。
先ほどとどう違うかわかりますか?
そう、こちらは売った方の立場から見た返品取引です。
販売した商品が返ってきたということです。
上の図では左側の店のことですね。
さて、返品仕訳でやることは買った側の返品仕訳とほぼ同じです。
違うのは売った時の仕訳を取り消すというところだけです。
売った時の仕訳はわかりますか?
(売掛金)1,000 (売上)1,000
これですよね。
売った=お金が増える=左にお金勘定です。
今回は掛けで販売なので、売掛金を使用します。
で、返品はこれの左右逆の仕訳をするのです。
結局、商品が戻りお金も入らないのですから、売り上げも売掛金も減らすべきです。
(売上)1,000 (売掛金)1,000
これが答えになります。
まとめ
今回のページで覚えることはただ一つ。
・「返品」=仕入れたor売った時の仕訳の左右逆の仕訳をする。
このページが役に立っていれば嬉しいです。