理解を高める考え方

現金過不足

投稿日:2017年3月27日 更新日:

現金過不足

現金の実際有高と帳簿有高が一致しない時は即座に不一致の原因を究明する必要があります。

しかし、その原因がすぐにはわからない場合はとりあえず帳簿残高を実際有高に修正する。

この修正処理のための勘定が現金過不足勘定です。

この勘定は、実際が帳簿より多くても少なくても使います。

ですので、これは資産負債などの分類はありません。

 

とにかく、現金が帳簿と実際でズレているから帳簿を修正しましょう、ということ。

この時注意するのが、実際の金額に合わせるというところ。

つまり、帳簿>実際の場合は帳簿から現金を減らす必要があり、帳簿<実際なら帳簿の現金を増やす必要があります。

例を見ていきましょう。

ここからの例は全て同一の期間、同一の店舗で発生した事項ですので繋がっている問題になります。

 

例)現金の帳簿残高が11,000円だったが、実査(現金の実際有高の調査)を行ったところ、実際有高は10,000円であった。

現金が帳簿と実際でズレているので、帳簿を修正する必要があります。

これは不一致が判明した時点で行います。

帳簿を実際に合わせるので、帳簿から差額1,000円を減らす。

現金を減らすということで、現金が借方にきます。

そして相手勘定は現金過不足。

(現金過不足)1,000 (現金)1,000

このようになります。

 

例)不足額1,000円について調査を行なったところ、400円については交通費の記帳漏れと判明した。

不足額の原因が判明したので、これを減らす必要があります。

つまり、貸方にある勘定を減らすために借方へ書きます。

相手勘定は判明したモノ、ここでは交通費なので交通費を書きます。

金額は400円なので、

(交通費)400 (現金過不足)400

となります。

 

 

(別解)

交通費が400円ということを記帳し忘れていたということから、交通費を払ったという仕訳が必要です。

つまり、借方に交通費が入ります。

今回支払った方法が現金だった、ということは問題文から推察できます。

ですので貸方は現金にしたいのですが、すでに不足として仕訳を切っているのでそうすることはできません。

ですのでその不足時に使用した現金過不足を使用しなければならない。

現金を書くと二重に減らすということになってしまいますから。

よって上と同じ仕訳が答えられる、という考え方も可能です。

 

 

例)決算日になった。不足額600円については未だ不明のため必要な処理を行う。

不明な額については相手勘定に雑損益勘定を使用します。

現金過不足を0にする→今回の場合は貸方になる。

相手勘定が雑損か雑益かの判断。

 

今回、判明していないだけで何かにお金を払ったということ。

つまり、これが利益か費用かどちらになるかはすぐわかりますよね?

お金が増えたらそれは利益ですが、逆は費用・損失になります。

なので、今回は雑損を使用します。

(雑損)600 (現金過不足)600

これが期末に行うべき仕訳です。

 

このように一連の流れとして考えると、最初に行った仕訳で借方に現金過不足が1,000となっています。

そこから2回の仕訳によって、現金過不足が400と600減らされることで最終的にこの勘定科目が0になるのです。

しかし、このように全ての流れが問題として出題する訳ではありません。

主に最初と最後が出題されるでしょう。

その場合はその問題単体で考えることになります。

普通に現金残高が帳簿と実際で異なる、と判明した段階の仕訳を書いて解くのが良いと思います。

 

(アドバイス)

問題文に全ての情報が詰まっているので、キチンと読んでいきましょう。

「実際が不足」というニュアンスの言葉があった場合。

これは事前に現金を減らす仕訳を行っていたということ。

つまり、現金過不足の残高は借方です。

(現金過不足)××× (現金)×××

このように仕訳を行っているからですね。

 

では反対に「実際が多かった」という言葉があった場合。

これは事前に現金を増やす仕訳を行なっていたということ。

つまり現金過不足は貸方にあります。

(現金)××× (現金過不足)×××

このように仕訳を行なっているからですね。

 

重要なのはここまで。

決算ではこの残高を減らすように仕訳を行えば良いので、簡単です。

減らすのは逆側にするだけ。

問題文から残高を判断することは、多くの問題を解くことで定着しますので、頑張ってください。

 


 

以上が現金過不足に関する説明でした。

実際の現金の方が多い場合は、現金過不足を貸方にすればいいです。

その後、原因を突き止めて現金過不足を増減させます。

決算日になった時は、現金過不足がどちらに残っているのかを確認した後に雑損か雑益かを判断します。

この辺りは上で書いたように、順を追って考えれば雑益かどうかはわかります。

しかし、そのような余裕がない人は覚えても良いかもしれません。

 

決算日

借方に現金過不足がある→雑損

貸方に現金過不足がある→雑益

という風に暗記してみても良いでしょう。

しかし、試験本番で忘れた場合に備えて、現金過不足に関連する仕訳とその考え方は理解しておいた方が安全です。

 

ここで難しいのは雑損か雑益かの判断だと思うので、頑張ってください。

このページがあなたの役に立ったのなら嬉しいです。

 

 

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