試験問題の解説(模範解答)

第118回第1問

このページでは過去問として、第1問の問題を解説していきます。

ある程度の知識があるもの、として説明は行います。

忘れている項目がある人はこの機会に覚えなおしてみましょう。

解説を読む前に、こちらでお金勘定の使い方を確認してください。

これを読まないとおそらく解説が理解できないと思います。

 

118回第1問

 

 

⑴当期首に 1 株 ¥ 700 で購入した鬼小島工業株式会社の株式 10,000 株のうち、5,000 株を 1 株 ¥ 650 で売却し、代 金は当座預金口座に振り込まれた。

 

⑵備品 ¥ 300,000 を本庄商会より購入し、代金のうち ¥ 60,000 は小切手を振り出して支払い、残額については毎月 末の 8 回分割払いとした。

 

⑶前期の決算整理にともない計上した未収利息 ¥ 20,000 につき、当期首に再振替仕訳を行った。

 

⑷事務用文房具を山浦商店より購入し、代金 ¥ 80,000 は現金で支払った。なお、当店では文房具については決算時に棚卸を行い、当期の使用額を費用に振り替える方法をとっている。

 

⑸商品 ¥ 100,000 を売り上げ、代金のうち ¥ 60,000 は当店発行の商品券で、残額は現金で受け取った。

 

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解説

 

⑴当期首に 1 株 ¥ 700 で購入した鬼小島工業株式会社の株式 10,000 株のうち、5,000 株を 1 株 ¥ 650 で売却し、代 金は当座預金口座に振り込まれた。

有価証券の売却に関する問題ですね。

なので、有価証券の価値(購入の時に支払った金額)と売却した金額を求めます。

 

有価証券の購入で支払った金額は、700×10,000=7,000,000円。

そのうち、5,000株を売ったということでその5,000株の価値は、7,000,000÷10,000×5,000=3,500,000円。

(まず10,000で割ることで1株の価値を出し、売った5,000株を掛けることで5,000株の価値が求められます。)

 

次に売った値段です。

これは単価が書かれているので、それを元に計算しましょう。

650×5,000=3,250,000円。

 

帳簿に書かれている価値と差額が生じていますね。

なので、有価証券売却損益が出てきます。

本当の価値が3,500,000だが、売れたのは3,250,000。

売った側は250,000円損していますよね。

 

売却→お金の増加→お金勘定は借方。

差額は借方になります。

 

 (当座預金) 3,250,000 (有価証券)3,500,000
(有価証券売却損)250,000

 

 

⑵備品 ¥ 300,000 を本庄商会より購入し、代金のうち ¥ 60,000 は小切手を振り出して支払い、残額については毎月末の8回分割払いとした。

備品購入→お金の減少→お金勘定は貸方。

60,000円は小切手、残りは分割払いでまだ支払っていない。

 

(備品)300,000 (当座預金)60,000
         (未払金) 240,000

 

⑶前期の決算整理にともない計上した未収利息 ¥ 20,000 につき、当期首に再振替仕訳を行った。

経過勘定の再振替仕訳ですね。

これは前期の決算仕訳を考えましょう。

「未収」とあることから、「受取〜」に関連するものです。

問題文から利息の話なので、今回使う勘定は「未収利息」と「受取利息」の2つ。

未収→まだ受け取っていないけど、当期の利益→受取利息増やす。

受取利息→お金もらえる→借方にお金、貸方に受取利息。

今回は受け取っていないので、借方には代理の未収利息。

(未収利息)20,000 (受取利息)20,000

これが前期末の仕訳。

 

再振替仕訳=逆仕訳、なので解答は。

(受取利息)20,000 (未収利息)20,000

 

 

⑷事務用文房具を山浦商店より購入し、代金 ¥ 80,000 は現金で支払った。なお、当店では文房具については決算時に棚卸を行い、当期の使用額を費用に振り替える方法をとっている。

当期の使用額を費用にする→購入時は消耗品で処理。

購入時の仕訳は、消耗品を現金で購入なので。

(消耗品)80,000 (現金)80,000

 

この問題、不思議なことにどれだけ使用したのか記載していないんですよね。

この場合は仕方がないので、全額使用したと考えましょう。

購入した消耗品を使用したことでなくなります。

なので、購入時に借方に計上した消耗品を減らす→貸方に消耗品。

相手勘定は消耗品を費用にする→消耗品費。

(消耗品費)80,000 (消耗品)80,000

 

 

⑸商品 ¥ 100,000 を売り上げ、代金のうち ¥ 60,000 は当店発行の商品券で、残額は現金で受け取った。

売上→お金の受取→お金勘定は借方。

今回登場しているのは当店発行の商品券。

これは以前使用されていると、お金勘定として使用ができます。

そのため、仕訳は。

(商品券)60,000 (売上)60,000
(現金) 60,000

 

 

まとめ

今回はそれほど難解な問題はありません。

経過勘定の問題が1問ありましたが、これ以降ほぼ出ていない問題になりますので、これからも出題されることはほぼないと言っていいでしょう。

それ以外に関しては、お金の増減がわかるのであれば解答できると思います。

 

このページがあなたの役に立ったのなら嬉しいです。

 

 

 

 

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