法人税等
法人税は法人、つまり会社の利益にかかる税金のことです。
この税金額は非常に大きく、一般的に分割での納付がなされています。
ある一定の日に全額支払うのは会社の負担が大きいためです。
で、法人税の金額が確定する前に支払うことを”中間申告”と呼び、法人税の金額が確定した後に支払うことを”確定申告”と呼びます。
字面的に意味を察することが出来ますので、大丈夫でしょうか。
それでは中間申告の場面から見ていきましょう。
例)A商店は法人税の中間納付として現金5,000円を支払った。
中間納付とは、中間申告の金額を支払う行動のことを言います。
ですので、この中間納付の場合、未だ法人税の金額は決定していません。
中間納付は基本的に「当期の法人税はこれくらいだろう」と概算して支払います。
その金額は大体その予測した金額の半分くらいが一般的です。
さて、中間納付の場合に使用する勘定科目は”仮払法人税等”です。
あくまで今回支払ったお金は法人税の仮払いです。
あとで不足分を支払う必要があるし、もし払いすぎていれば戻ってきます。
ですので、ここでは費用計上はせずに仮払いとして処理します。
いやでも、前回の切手や収入印紙などと同じように支払った時点で費用処理し、あとで費用を増減させれば良いのでは?と思う人がいるかもしれません。
確かにそのような処理ができるように見えます。
しかしこの中間納付と切手の購入には決定的な差が存在するため、同じ処理ができないのです。
切手を購入した場合、切手がもらえ、それを使うことで郵便のサービスを受けることが出来ます。
そのサービスは80円切手なら80円分のサービスです。
そしてその切手の金額が後々変化することはありません。
80円切手1枚でハガキ1枚が送れる。
この設定は揺らぐことがありませんし、ハガキ1枚の範囲から逸脱しなければ追加料金なんて取られません。
つまり、ハガキ1枚を送るために80円切手を購入した時点で、その費用は確定しているのです。
80円切手を10枚購入して800円支払ったとしても、それによって送れるハガキの枚数が増減することはありません。
よって、切手10枚購入というのはハガキ10枚を送るためにかかる費用が確定したと言えるのです。
ですから切手を購入した時に費用として計上するのです。
また、年間パスポートなども同様です。
年間パスポートを持っているのに入園料が取られるなんてバカな話は有りませんよね。
つまり、その年間パスポートを購入した時点で「一年間入園料が不要となる」わけです。
これは言い換えると「一年間の入園料が確定した」と言えるわけです。
ですから年間パスポートの購入も購入時点で費用が認識されるというわけです。
一方、中間納付の場合は確かに法人税を支払うために現金が出ていきました。
しかしその法人税の金額はあくまでA商店が勝手に見積もった金額であり、未だ確定していません。
つまり未確定の法人税に対して支払っているので、仮払いとして処理しているのです。
(仮払法人税等)5,000 (現金)5,000
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次に法人税の金額が確定した場合です。
例)決算日に法人税が11,000円と確定した。なお、中間納付として5,000円支払っている。
ここで注意して欲しいのは「支払った」と記載されていないところです。
つまり、決算日には法人税の金額が確定したものの、現金などの支払いは行われていないのです。
よって費用の金額は確定したが中間納付との差額分については未払いとなっているということです。
したがって、法人税の費用が確定したことと、仮払いを消すこと、そして未払いの部分があればそれを計上することが求められます。
まず、中間納付をした時に計上した仮払法人税等を消しましょう。
費用が確定したのですから、仮払いでは有りません。
多いなら支払いすぎであることを、少ないなら不足額があることを示さなければなりません。
ですので、中間納付で発生した仮払法人税等を消すために右に記載しましょう。
そして、消える原因は「法人税等の金額が確定したから」ですよね。
ですのでその原因を仮払法人税等の反対側に記載しましょう。
で、その差額が埋まるように未払法人税等を記載しましょう。
(3級では還付の勘定科目が範囲に含まれていないため、100%未払法人税等になります。)
(法人税等)11,000 (仮払法人税等)5,000
(未払法人税等)6,000
未払について支払ったのならば、未払法人税等が計上されている右と反対である左に計上することで未払金額がなくなり、お金を支払ったということでお金勘定を右に記載すれば正解できるため、割愛します。
まとめ
中間納付=仮払法人税等。
決算日=仮払法人税等を消す&法人税等の費用金額を計上&未払法人税等を計上。
未払分支払い=未払法人税等を消す&お金勘定を右に書く。
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